最高裁の王様化を暴き、日本の誤りを糾弾するブログ

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ウマ娘がKONAMIから特許侵害で訴えられました

 

 正確には、ウマ娘が訴えられたんじゃなくて、サイゲームスが、ウマ娘KONAMI特許権を侵害しているとして、KONAMIから訴えられました、ということです。

 

 

 訴えの内容等は以下の通り。

 3.訴訟内容
(1) 訴えの内容
Cygamesが提供しているゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」の特許権侵害に基づく損害賠償等請求
およびそれらの生産、使用、電気通信回線を通じた提供等の差止請求等
(2) 訴訟の目的の価額
損害賠償等請求 40億円及び遅延損害金
差止請求の対象ゲーム 「ウマ娘 プリティーダービー

 

 「コナミが対サイゲームスの訴訟で使用した(と思われる)特許の分析」はこちら。

news.yahoo.co.jp

 基本特許となる、いわゆる「サクセスモード」の特許はすでに切れているところ、ファミリー特許を複数取得することで、特許侵害を主張できるか、が争点になると思われます。

 一応、引用元の記載によると、以下のような指摘があります。

追記:このようにゲームのリリース後に後付けで特許の方を寄せていくことが可能なのかと疑問に持たれている方がいるようなので解説しておきます。分割出願への補正が原出願(このケースでは、5814300号)の明細書に既に記載されていた内容に基づいたものであれば問題ありません。また、新規性・進歩性の判断は原出願の出願日(このケースでは2013年5月13日)を基準に行われます。このケースからも分かるように、戦略的な発明の出願では、後の分割出願も想定して様々なバリエーションを最初から明細書に書いておくことが重要です。

 

 「ウマ娘訴訟」に関しては、どういう裁判官に当たるかで、どうとでも結末が変わってしまうので、今後の展開を予測するのはぶっちゃけ無意味なのですが、まともな裁判官が担当するのであれば、KONAMIが勝訴するのは難しいだろう、と思います。

 

 影響を考えれば当然です。

 ここでKONAMIに勝訴なんてさせようものなら、その直後にKONAMIサクセスモードを模倣しているゲームに対して、後付けでパワプロと共通しているゲーム仕様をファミリー特許に付け加えながら、いくらでも訴訟を吹っ掛けることだって可能になるんです。もちろんここでKONAMIを勝たせないと判決が矛盾します。

 もう日本を本拠に置いた会社では、いわゆるソシャゲを開発できなくなり、(日本の裁判所の判決に従わなくてよい)韓国や中国のゲームばかりが大手を振るう事にもなりかねません。

 これが、ゲームだけであればまだ良いです。最近ではチャットGPTなど、AI(人工知能)の発展も著しいところ、AIの基本特許が1社に押さえられたとしたら、一体どうなってしまうのか。後付けのファミリー特許を許せば、日本のソフトウェア産業にとって致命的な打撃すら与えかねないのです。

 何故特許に有効期間が決まっているのか、また特許に抵触しないように開発したソフトウェアを認めないと、どのような事態が発生してしまうのか、裁判所には、きちんと理解してもらわないと困ります。

 

 

 似たような裁判で、以前に「ぷにコン訴訟」というものがありました。

tokkyo-lab.com

 なお、この「ぷにコン訴訟」が発生した当時は、今とは、かなりソシャゲを取り巻く状況が違っていました。

 当時は、いわゆる「据え置き機」から「スマホによるソシャゲ」にゲームの主流が移行していく中で、そうした「ソシャゲ開発会社」の意気も盛んであると同時に、いわゆる「ガチャ」の多額課金が問題にもなっていました。

 そうした状況で、裁判官の中に、「ソシャゲは社会問題になっているから、据え置き機のゲームを作っている任天堂を勝たせて、ソシャゲ開発会社にバチを当ててやろう」などという考えが浮かんだ影響は、おそらくある思います。

 また裁判所は、正しいもののために裁判をするのではなく、法曹関係者を潤わせるために裁判を行う場合があることも否めません。特許訴訟は、訴額が数十億を超えることが多くあり、その分のお金が動けば、報酬としてその2~3割は担当した弁護士の懐に入るのです。これが請求棄却では、実際に作業にかかった時給しか支払われません。

 

 「ぷにコン」訴訟は、実際に判決までは至りませんでしたが、原告側の任天堂に有利な和解が行われました。和解をした場合、和解の内容の詳細については口外しない、というのが和解の条件に含まれる場合が多いです。

 結果として、「一体、ぷにコンが、任天堂のなんて名前のゲームのユーザーインターフェースの権利を侵害したのか?」などの詳細が知らされないまま、「スマホ以外の既存ハードウェアの特許侵害で訴えられる場合がある」と業界他社や、ゲームユーザーには、衝撃を与えることになりました。

 

 この状況は以下のような結果を生みました。

 「何だかわからないけど訴えられる事がある」、こういう場合、訴えられないように既存の特許をよく調べよう、とはなりません。日本のゲーム開発会社は、より安全な、海外産のゲームをパクるようになりました。すでに数社が開発しているゲームの後追いが一番安全なのです。もちろんそれでは、他社と差別化ができません。日本はアイデアではなく、キャラクターなどのIPで、権利を主張するようになったのです。

 華やかなキャラクターたちが画面を彩り、これぞクールジャパン、などと浮かれてる半面、ゲームのアイデアは陳腐に、縮こまっていったものになっていったのは非常に皮肉です。本当に斬新なゲームは、海外産のゲームからしか期待ができなくなりました。

 

 参考動画

 www.youtube.com

 裁判所に言います。裁判所が私から取り上げた「バトルガールハイスクール」は非常に斬新なゲームでした。私はサイゲームスに対して中立なのであえて言いますが、バトルガールハイスクールの方が、プリンセスコネクトよりもよっぽど斬新でした。

 

 

 まとめ

 裁判所は、日本のソフトウェア産業の将来を考えるのであれば、「ぷにコン訴訟」のようにコナミを決して勝たせてはいけません。裁判所は、和解も許すことなくサイゲームスを勝たせて、AI開発者などへの配慮を、速やかに示さなければならないのです。

 その判決は「ぷにコン訴訟」と矛盾するものとなりますが、裁判所は「あれは当事者が勝手に和解したものだから」などと責任を放棄するのではなくて、きちんと責任を感じてください。

 日本の裁判所が変な裁判を行うと、世界から無視されるのは、「日本の裁判所」なのではなくて、「日本」そのものになるんです。

 

 

 最後にウマ娘ユーザにお願いです。今はソシャゲを取り巻く環境も整備され、ガチャの確率は表記されるようになりましたし、問題のある課金に関しては返金の手続き等も行えるようになり、ソシャゲの問題はかなり改善しました。半面、ゲームの開発費は次第に上昇し、ゲーム開発会社は収益に苦しむようになりました。ここでコナミを勝たせてはいけません。それには「ぷにコン訴訟」からもわかるとおり、世論も大事なんです。

 つきましては、本記事の拡散に協力がいただけると何よりです。

 

 以上